あだちの再生工房

古い機械類を修理再生する趣味の部屋です。

       発信元: 安達正晴 三重県三重郡朝日町縄生

燃料コックのオーバーホール

一年ほど前から燃料コックをRES(Reserve)にしてもガソリンが流れてこないことがあった。 しばらくすると流れ出すこともあり、不安定な状態でした。
そこで燃料コックを分解掃除することにしました。 
2016年5月実施


先ずは手動ポンプでタンクからガソリンを抜き
取ります。



ポンプで抜き取れない分はコックからドレイン用
のチューブで抜きます。
それでもタンクの底には抜ききれない分が
1~2リッター残っています。

タンク部のねじは普通の右ネジなのでナットを
左回しでコック(Tap)は外れます。



コックを外しましたが、ストレーナが抜けて
きません。 一瞬焦りましたがタンク側のネジに
ピッタリ張り付いていました。 カッターで張り
付きを分離しました。

驚くほど錆などがストレーナーにこびり付いて
います。  ちょうどRESERVEのパイプの高さ
よりちょっと上の位置まで目詰まりしています。
これではRESERVEでガソリンが来ないのも
当たり前です。

ストレーナー全体的にも結構目詰まりして
います。

ストレーナーを通過しているはずのコックの底
には細かな土のような感じのもの(さび?)が
沈殿しています。
ほぼ30年間分解掃除されたことは無かったよう
です。(少なくとも私が入手した1990年以降は
掃除したことなし)

コックの底からこれだけの錆?が出てきました。

コックのレバーのクリック感を出している円環
2枚です。  後の組み付け時にはオイルを
塗っておきました。

分解した右コックです。


MotorWorks社から購入したOverhaul Kitsです。
短いストレーナーは旧車用なので使いません。
ストレーナーは再利用するので茶色の
ガスケッットを使います。











分解した左右のコックです。 
コックの組み付けは意外と難しいです。
手順は
1)先にコイルバネとアルミキャップをセットで
コックレバーに押し込めます。
2)万力でコック本体を固定
3)本体とアルミキャップにすぐにねじ込めるよう
位相合わせの印をつけておきます。
4)位相をあわせ、ペンチの先端を使ってアルミキャップを平行に押し込みながらもう一方の
手でキャップをねじ込みます。

片手で押し込みながらねじ込むのは至難の
技で、指に水ぶくれができかねません。

ストレーナーのアルミの座面は深い圧痕が
ついているのでペーパーで研きます。

完全に圧痕は消えました。


ガスケットをつけるとストレーナーの座面に
密着しません。 このままでも締め上げれば
変形してOKと思いますが、ガスケット側を
対策します。

ガスケットが浮き上がるのはストレーナーの
アルミとメッシュが直角に接続されていない
ためです。

ガスケットの内径側を面取りしました。

ガスケットの面取りで密着するようになりました。

タンクに取付け完了です。
コック側のネジは左ネジなのでナットを右回しで
タンクに取付けていくとガスケットが締め付け
られ固定されます。
コックの円環にオイルを塗ったおかげで
レバーのクリック感は非常に良い感触に変わり
ました。

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更新: 2016/5/26
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