あだちの再生工房

古い機械類を修理再生する趣味の部屋です。

       発信元: 安達正晴  三重県三重郡朝日町縄生

ANSONIAの置時計

親戚からの修理依頼品です。 永らく動いていないとのこと。  ケースが大理石の集積なので
無茶苦茶重いです。
(2015年8月 修理完了)


現状は振り子がすぐに止まってしまうことと
チャイムが鳴らないことです。
2つのゼンマイは一杯に巻かれた状態です。
左のゼンマイがチャイム、右ゼンマイが進刻用
です。

エスケープメントが目盛板に露出しています。
12時の上にあるキー穴は振り子の長さを
微調節するものです。
このようなメカは初めて見ました。


文字盤です。


エスケープメント部の飾り板はムーブメントに
くっついています。

ムーブメントを取り外すには底板をはずして
底から抜き取ります。  幅がギリギリなので
うまく抜かないと歯車に石膏がひっつきます。
渦巻き状のものがチャイムです。


ケースは大理石の板が積み重ねて出来ており、
それを石膏?で固めているようです。
10kg以上と非常に重いです。



ケースの正面です。



メーカーはアメリカのANSONIAで JUNE 14.81, 
JUNE 18.1882 Patentedの打刻はあるのですが
製造年は不明です。

ムーブメントの正面側です。




振り子長さの微調節のメカです。  
写真ではよく見えませんが振り子の板バネに
亀裂が入っており問題かもしれません
(板幅5mmに対し、亀裂は2~3mm程度)。

ムーブメントの背面です。







亀裂の入った板バネの代用品を2種類作り
ました。 いづれも0.1mm厚のリン青銅板です。
1つは幅を狭くし、バネ剛性を小さくしたもの。
もう一つは幅広で剛性を高くしたものです。
この幅広の方がオリジナルに近く、順調に振り子
として動いたので、これを採用しました。


分解掃除と注油後、幅広の板バネを取付けて
いるところです。
順調に動くようになりました。


  クリックするとエスケープメントの動画
  (MP4)が見られます



 クリックすると動画(チャイム音)が聴けます
    (ちょっと雑音が多いです)
 30分毎に1打鳴ります。

 
たまたまeBayのオークションを見ていたら
ほとんど同じものが出品されていたので、
写真をダウンロードしておきました。


文字盤は全く同じです。


背面の刻印も同じです。

  

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更新: 2016/05/27
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