あだちの再生工房

古い機械類を修理再生する趣味の部屋です。

       発信元: 安達正晴  三重県三重郡朝日町縄生

Kienzle Westminster movementの修理

Kienzle Westminster No.1 の補用品として、同じ構造のムーブメント単品をeBayにて入手した。
しかし下記の問題があり、不動品であった。

  問題1.歯車(ピンタイプ)の欠損
  問題2.真ん中のゼンマイ(時間進刻用)が巻けない
  問題3.アンクルのガンギ車との接触面が大きく摩耗 (駆動には支障はないかも知れない)。

次のような処置をした。(2012年4月完了)

 外観  Kienzle movement 前側 Kienzle movement 後ろ側 
問題1
 
ピン
折損
欠落 
 歯車 ピンの欠損  欠損した歯車周辺の歯車列
 欠損歯車の修復 -1  欠損歯車の修復 -2
 修理  欠損歯車の修復 -3
ピン穴はかしめられているのでφ0.6mmのミニ
ドリルで穴をあける。
 欠損歯車の修復 -4

 欠損歯車の修復 -5
φ0.6mmのピアノ線を必要なピン長さに切断し
ピン穴に挿入する。 (ピンは3本作成)
 修復の終わった歯車
抜け防止の加締めは難しいのでエポキシ
ボンドで固めた。
 問題2  ゼンマイの内部 修理・処置 
 振り子用のゼンマイ(Main Spring)は
 ゼンマイ切れではなく、巻き上げ軸との
 引っ掛かりが外れていただけであった。
 洗浄、注油(ゼンマイ用)しておいた。
 問題3  段付き摩耗したアンクル
ガンギ車との接触面がかなり摩耗し、段差が
ついている。
 段付き摩耗したアンクル その2
もう一方の面も同様に摩耗している。
 修理   オイルストーンによる摩耗面の研磨  摩耗した面をオイルストーンで摩耗痕が
なくなるまで研磨した。
その後、バフ研磨した。
  段付き摩耗面の研磨 -1段付き摩耗面の研磨 -2 段付き摩耗面の研磨 -3段付き摩耗面の研磨 -4
 研磨の終わったアンクル
他方の面も研磨し、摩耗痕はなくなった。
 動作
確認
  動作しているアンクルの動画  この画像をクリックすると、動画が見られます。
順調に作動するようになりました。

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更新: 2012/10/30
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