あだちの再生工房

古い機械類を修理再生する趣味の部屋です。

       発信元: 安達正晴 三重県三重郡朝日町縄生

Collins 51J-3

アメリカのHAMから51J-3, 51J-4をセットで買ってくれれば安くしておくとのことで2000年10月に購入。 
セスナ機のエンジンを購入するための資金とのこと (スケールが違うなーと感嘆....)。
入手時点ではよくメンテされていたようで作動に問題はなかった。

しかし、2012年6月のメンテの際、AVCが作動しないことが分かったので、これを機にBathtub、
電解コンデンサ類を交換することとした。 
今回気が付いたことだが、本機はTM 11-854に対するChange No.1からChange No.4(1963年11月)の
修正も加えられていた。

51J-3 Serial Number 12047
 51J-3 Front View  51J-3 Over View
 Meter, 51J-3
 
 51J-3 Under View
Change No.2に記載のC239(Bathtub)が追加
 されている。  
 RF coil protection circuit
画面右下にはRFコイルの保護回路が追加
されている。(1963年のChange No.4)
はんだ付けの様子から見るとメーカーで
処理されたように思える。
51J3の生産年は1951~1954なので、
購入したユーザが工場に送り返して処置して
貰ったのだろうか?
 

 コンデンサの交換
 bathtub capacitors to be replaced
Bathtubタイプの7個のコンデンサを交換。
 C198a,b --- 0.1uF/600V Paper
 C205a,b,c --0.1uF/600V Paper
 C214a,b ---0.1uF/600V Paper
 C215 ------20uF/150V 電解
 C216 ------20uF/150V 電解
 C223 ------8uF/350V 電解
 C239 ------8uF/350V 電解

代表的な交換例を右に示す。
 bathtub replaced by new capacitor
 bathtub replaced by electrolytic cap.
 bathtub replaced by electrolytic cap.
 dual section electrolytics
アルミ缶電解 C217も缶の中に2つのコンデンサ
を入れ込んだ。 

testing electrolytic cap. by TEL-OHMIKE
SPRAGUE TEL-OHMIKE TO-6で漏れ電流を
計測した。
 C217 --- 4mA at 450V
 新品 --- 0.08mA at 450V

漏れ電流の限度値(Suprague社)

であるのでC217は交換が必要と判断。     
(受信していても問題は感じられなかったが)
 aluminum can of electrolytic cap.
中身を取り出すのはかなり大変です。
 newly built electrolytic capacitors
アルミの足は加締めた。          
ラジアルのコンデンサを買うべきだった。
 newly re-built aluminum can
アルミテープで封印。   
replaced capacitors of AVC detector replaced capacitors of AVC detector
 AVC detectorのC204, C226 (mica) も劣化し易いとのことなので交換した。 

AVCの動作不良
 removing the front panel of 51J-3  AVCに関係する回路をチェックしたが
異常は見つからなかった。
ひょっとしてと思いAVCスイッチをチェックした
ところ、断線が見つかった。
 wiring of AVC switch has been cut
 なぜこのようなところが断線するのか不明
 re-soldering of wiring of AVC switch
 半田付けしたらAVCが働くようになった。

BFO Pitch Couplerの修理 
  AVCスイッチをチェックするため、正面の面板を外す際に何を勘違いしたのかBFO PITCHの
 ノブが外れなかったので無理やり抜こうとした(止めねじが2つあるのを忘れて一つしか緩め
 なかった)。
 その結果、カップリングのベークライト板がばらばらに壊れてしまった。
 そのため余分な作業として、カップリングの修復が必要となった。
 適当なベーク板がなかったので、MOディスクのケース(エンピ?)から切り出し作成した。
broken coupling of  BFO PITCH knob
 完全にばらばら状態。
  
broken pieces of coupling parts
 リベット締めをドリルで削り、金具を確保した。
 
reparing the coupling, step-1
 MOのケースから円盤を切り出すこととした。
reparing the coupling, step-2
 切り出したドーナツ状の円盤。
newly built coupling
 手持ちのM2.6のビスとナットで何とか
 つなぐことができた。
newly built coupling
 芯ずれもほとんどなく、大成功!!
 
new coupling installed in 51J-3  T106に繋ぎ、うまくBFO PITCHが動くように
 なった。

マニュアル、回路図について 
 cover of origina manual of 51J-3  オリジナルのマニュアルを持っているが
 これよりも
 Technical Manual TM 11-854 (1952.4)
 の方が詳しく便利。
 オンラインで入手できる。

 たとえば
 K4OZY's Collins Repository
 http://www.jptronics.org/radios/Collins/
 ここにChange No.1~Change No.4も掲載
 されている。
 
 リンク先がなくなったようなので
 アップロードしておきます。2015/11/28
 Manual  TM11-854.pdf
 Field Change  fiield_change_1-4.pdf

入口に戻る

全内容を示す代表写真
ご意見をお聞かせ下さい封筒のアイコンです← Click here

更新: 2015/11/28
入口に戻る