Categories
IIci Macintosh コンピュータ

Macintosh IIci のLogic Board修理 その2

Startup 系に関するIC, トランジスタを交換したにも関わらず、Key Onで起動するのに時間が掛かったり、起動後正常に動いている最中に突然OFFになるなど、不安定な状態は治っていないことが分かりました。

回路上の電圧を測ろうにも、電源ユニットが覆いかぶさっており測れないので、先ず電源接続ケーブルを作製し、ユニットを離れたところに置くことにしました。

作製したケーブルです。 SE/30用の余った14ピンコネクタのセットを削り取って10ピンにしました。
(14ピンコネクタは MOLEXの 5559-14P(オス)、5557-14R(メス)です)。

ケーブルを使っている状態です。

この状態で、起動した状態の各点の電圧を測定しました。
Q4、Q3の電圧は4.53Voltあるのに、電源コネクタPin-9(Power On/Off)の電圧は3.5Voltと低めです。
Pin-9までは直結の筈なので、約1Volt低下しており、おかしいです。
3.5Vと低いので電源ユニットのリレーが働いたり、働かなかったりと不安定になっていたと考えられます。

そこで、R38とR39の結合点からPin-9までの経路のプリント基板の導通をチェックしました。
先ずR38とR39の結合点Point-1~Point-2 についてはほぼ抵抗値はゼロでOK。

Point-2の裏側がPoint-3でthrough holeで繋がっています。
さらにPoint-3とPoint-4が繋がっています。
Point-1とPoint-4の抵抗を測ると不安定で数百Ωから数メガΩと異常です。

Point-4の反対側がPoint-5でthrough holeで繋がっており、Point-5とPin-9はプリントパターンで繋がっています。 Point-4とPin-9はほぼ抵抗値はゼロでOKです。
したがって、Point-3とPoint-4の間に問題がありです。

Point-3の拡大です。 一見すると問題なさそうです。

表面を少し削っていくと細いですがクラックが見つかりました。 完全に断線はしていないようですがこれではだめです。(赤色矢印の先です)。
抵抗値が大きかったのはこのためです。
そこで、このクラック部分をリード線でつなぎ半田付けしました。
その結果、Pin-9の電圧は4.5Voltと改善され、Key-onで即起動するとともに、長時間通電していても突然のOffもなくなりました。
なぜクラックが出来たかはよく分かりませんが、電解コンデンサの電解液の漏れの影響かも知れません。
大成功でめでたし、めでたし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です