バキュームゲージの製作

キャブレターの同調はアナログのバキュームゲージが多く使われていますが、持っていません。
2気筒なら安くて手に入るようですが、買うのも面白くないので秋月通商から圧力センサーMIS-2500-015Vを購入し、その出力をAD変換することを考えました。
このセンサーは1個 850円と安く、負圧1000mbarまで測れ、供給電源は5VなのでR100RTのUSB電源が使え便利そうです。
AD変換器としてNational InstrumentsのUSB-6009を使い、波形モニターはLabVIEWを使うことにしました。


回路は簡単で、0.1μFのコンデンサ、5V電源、出力線だけです。
実装時には、もっとコンパクトに仕上げる積りです。

センサーの拡大です。
外径は3.15mm、穴径は0.8mmでここに3mmのホースを接続します。

センサー基盤、USB-6009、パソコン はPanasonicのLets Note CF-R3(WinXP)です。

負圧発生は大型の注射器(60cc)を使いました。

注射器の負圧を二又分岐コックで2つのセンサーに振り分けます。

コックは全開です。


計測システムの全体です

静的に負圧を増大させたときの2つのセンサーの出力波形です。 出力は一致しています
(4.181Voltと4.184Volt)。  赤い線は白の線に重なっているので隠れてしまっています。
仕様書では誤差範囲は1.3~2%とありますが、それ以上の精度が確保されているようです。

負圧を変動させたときの波形です。 
注射器を手で往復させているので周波数は2Hz程度と低いですが完全に2つの波形は一致しています(カタログの応答は1msです)。




2チャンネル側(赤色の波形)のコックをかなり絞って、静的に負荷を増大させた場合です。
オリフィスの効果で2チャンネル目のセンサーは応答が鈍くなり、平均値に落ち着いています。






同じコックの絞り状態での負圧を変動させた場合です。 脈動が抑えられ平均を示します。実際にR100RTのキャブ負圧を測定する場合には今回のようにパソコンで波形を見られる
のでコックの開度を全開で測定しても同調させることは容易と思いますが、波形をモニターできず電圧計などでモニターする場合には、コックを絞り脈動を抑えて見やすくした
うえで同調作業をすればよいと思います。