愛知時計のトランジスター時計

電磁テンプ式とモータ駆動によるチャイムの機構に興味があり、オークションで衝動買いをしてしまいました。
時刻は刻むが、チャイムが動かないという、いわばジャンク品です。
(2014年9月7日 修理完了)


右が愛知時計のトランジスター時計です。
30分毎にウエストミンスターのチャイムが鳴ります(購入時はチャイムは動きませんでした)。
左はKienzleの手巻きのウエストミンスターです。
愛知時計の方がかなり大きいです。
目盛板の直径は17㎝ほどです。
電源は単一電池2本を並列に使うので、電磁テンプもチャイムのモーターも1.5Voltで駆動されます。

内部の写真です。 チャイムの真鍮棒は4本で、モーターで駆動しています。
この写真は修理が完了した後の写真です。
左下のスライドスイッチはチャイムのON-OFFスイッチで、購入時点では壊れていました。
このスイッチを新品と交換しても、モーターは10回のうち1回まわれば良い方で、どこかに問題があるようでした。

ムーブメントの拡大です。
ゼンマイ式に比べ、構造はいたって簡単です。
電磁テンプ式を発案した人を尊敬します。
チャイムは従来の機械式のゼンマイをモーターに置き換えたものです。






チャイムのON-OFFスイッチが壊れかけでした。
分解してみるとスプリングがへたってしまい、導通出来ない状態でした。 
スイッチは新品に交換した方がよさそうです。
結線を直付けするとモーターは回ったり、回らなかったりと不安定で、モーターに問題がありそうです。
モーターが回れば正常にウエストミンスターを奏でるのでその他は問題ないようです。

モーターを分解したところ、ブラシが1カ所摩滅していました。 この折れ残ったブラシがコミュテーターに引っかかり、起動できないことが分かりました(手で起動してやると回り続けます)。

コミュテータもかなり痛んでいます。
研磨すれば直せるのかも知れませんが、ブラシも作り直すとなると大変なので、入手し易いマブチモーターと置換することにしました。

モーターの軸径はΦ1.5ですが、マブチモータの大部分はΦ2.0で、軸長も短いので使えません。
唯一、FF-050SHがΦ1.5で軸長も11mmと十分なので、これを使うこととしました。
オリジナルより外径が小さいのでトルク不足が懸念されますが.

モーターが違うと元々のブラケットは使えないので、t1.0の真鍮板で左のようなブラケットを製作しました。(右は元々のブラケットです)。



新しいモーターを取り付けた状態です。



カバーを取り付けると、モーターがオリジナルよりわずかに長いので、ケースがはまりません。
そのため、やむを得ずケースのモーターの端子部分に孔をあけました。

ケースにあけた孔です。 オリジナルを崩したくないのですが仕方ありません。

チャイム用のスイッチも新品に交換しました。
たまたまオリジナルとサイズが同じだったので取付も簡単でした。

2時のチャイムです。 正面からの動画です。
少しチャイムのテンポが遅いようです。
チャイムのモーターの電源を別にして速度コントローラを設ければテンポを調節出来るでしょうが、まあ許容範囲かなと思うので、このままにしておきます。

7時のチャイムです。 背面からの動画です。
はじめに他の時計のボンボン音が入ってしまい少々聞き苦しいですが、ご勘弁下さい。