Collins 51J-3

アメリカのHAMから51J-3, 51J-4をセットで買ってくれれば安くしておくとのことで2000年10月に購入。 
セスナ機のエンジンを購入するための資金とのこと
(スケールが違うなーと感嘆....)。
入手時点ではよくメンテされていたようで作動に問題はなかった。

51J-3 Serial Number 12047
  

Change No.2に記載のC239(Bathtub)が追加されている。  

画面右下にはRFコイルの保護回路が追加されている。(1963年のChange No.4)はんだ付けの様子から見るとメーカーで処理されたように思える。
51J3の生産年は1951~1954なので、
購入したユーザが工場に送り返して処置して貰ったのだろうか?
 
コンデンサの交換

Bathtubタイプの7個のコンデンサを交換。
 C198a,b — 0.1uF/600V Paper
 C205a,b,c –0.1uF/600V Paper
 C214a,b —0.1uF/600V Paper
 C215 ——20uF/150V 電解
 C216 ——20uF/150V 電解
 C223 ——8uF/350V 電解
 C239 ——8uF/350V 電解

代表的な交換例を右に示す。
 
 
 

アルミ缶電解 C217も缶の中に2つのコンデンサを入れ込んだ。 


SPRAGUE TEL-OHMIKE TO-6で漏れ電流を計測した。
 C217 — 4mA at 450V
 新品 — 0.08mA at 450V

漏れ電流の限度値(Suprague社)

であるのでC217は交換が必要と判断。     
(受信していても問題は感じられなかったが)

中身を取り出すのはかなり大変です。

アルミの足は加締めた。          
ラジアルのコンデンサを買うべきだった。

アルミテープで封印。   


 AVC detectorのC204, C226 (mica) も劣化し易いとのことなので交換した。 
AVCの動作不良


AVCに関係する回路をチェックしたが
異常は見つからなかった。
ひょっとしてと思いAVCスイッチをチェックしたところ、断線が見つかった。
 
白矢印が断線。
なぜこのようなところが断線するのか不明
 
半田付けしたらAVCが働くようになった。

BFO Pitch Couplerの修理 
  AVCスイッチをチェックするため、正面の面板を外す際に何を勘違いしたのかBFO PITCHのノブが外れなかったので無理やり抜こうとした(止めねじが2つあるのを忘れて一つしか緩めなかった)。
 その結果、カップリングのベークライト板がばらばらに壊れてしまった。
そのため余分な作業として、カップリングの修復が必要となった。
適当なベーク板がなかったので、MOディスクのケース(エンピ?)から切り出し作成した。

完全にばらばら状態。


  

リベット締めをドリルで削り、金具を確保した。


MOのケースから円盤を切り出すこととした。

切り出したドーナツ状の円盤


手持ちのM2.6のビスとナットで何とかつなぐことができた

芯ずれもほとんどなく、大成功!!

 


T106に繋ぎ、うまくBFO PITCHが動くようになった。
マニュアル、回路図について 

オリジナルのマニュアルを持っているがこれよりも
Technical Manual TM 11-854 (1952.4)
の方が詳しく便利。
オンラインで入手できる。

たとえば
K4OZY’s Collins Repository
https://www.jptronics.org/Collins/index.html
 ここにChange No.1~Change No.4も掲載されている。
 
このサイトは更新されたようで、以前に入手したファイルがなくなっていたので、参考にアップロードしておきます。 2015/11/28
 Manual  TM11-854.pdf
 Field Change
 fiield_change_1-4.pdf