経緯
リストア後のチェックは安全のため、スライダックでAC60Volt 程度からスタートしました。
Band-1 (550kc~1600kc) に設定し、通電したところ、RF部から白煙がでました。
ここで止めればよいものをBnad-2 ( 1.6~3MHz)、Band-3 (3.0~5.8MHz) と切り替え、同じように白煙を上げてしまいました。
ここで初めて、電源を切りましたが手遅れでした。
原因
局部発振回路 V4 への結線間違いと判明しました。
V4廻りのRFの第4室を取り外す際に、V4のPin6の結線を、Pin7と勘違いし、実体配線図に記入してしまったため、再組のときもPin7に接続したため、真空管のヒータ電源がコイルに負荷されてしまったことが原因でした。
真空管のPin7はヒータというのは常識であるのに、チョンボとはこういうものかも知れません。
コイルの巻き直し
焼き切れたコイルのインダクタンスが不明なため、該当する発振回路をNational Instruments社のMultisimという回路シミュレーションで共振周波数を計算し、各コイルのインダクタンスを推定しました。
また、焼け切れたといっても、線径や巻き数は判読できるので、これらも参考にエナメル線で巻き直しました(2013年3月12日 再組終了)。
再生成功
再度組み付け通電しましたが、ハム音すらせず途方に暮れましたが、V1~V4の差し違えと判明。
正規の位置に刺し直すと、AM局が受信できました。 やれやれです。
この時の喜びがあるので修理は止められません。
リストア開始から、正味期間として約1.5ヶ月を要しました。
細かな調整は次のステップでやる予定です(厄介な機種で疲れました)。
再度の挑戦の結果 ==> 大成功、めでたし、めでたし。
再組立てに際しては、前回気になるところも直しました。
1.SEND-RECEIVE switch (SW4) の接触不良。 switchを新品に交換。
2.RF Gain のボリューム(500kΩ) ガリが激しいため、新品に交換
再度組み付け、念のためマニュアルにある各真空管 のPinの抵抗値を測定しました。
必ずしもマニュアル通りの値ではありませんが、致命的な誤配線はないようなので通電しました。
AM 729kc(NHK)が聞こえました。 万歳です。
抵抗測定値のリストを resistance_value.pdf に示します。
SX-28に関する情報源
・Phil’s old Radio ( http://antiqueradio.org/halli12.htm )
RF部の分解手順が大変参考になりました。
・SX-28のマニュアル
SX28-mil.pdf — SX-28の取説 (http://bama.edebris.com/manuals/hallicra/sx28mil/)。
SX28old.pdf —- SX-28の取説 (http://bama.edebris.com/manuals/hallicra/sx28old/)。
TM11-874.pdf (1944年)— SX-28Aの取説、回路図(入手元を忘れました)。